「転職したいけど、忙しくて転職活動できない」
「在職中に面接したり、転職活動したりするのって大変じゃない?」
「早く転職した方が良いことは分かってる。でも仕事疲れで、転職活動する気になれない」
今の職場や仕事内容に何かしら不安を持つ人や、よりキャリアアップのために転職を考えて考えている人で、なかなか転職活動に踏み切れないとお悩みの人も多いかもしれません。
この記事では、会社の体質に不満を持ちながらも、気づけば10年以上が経過していたという40代男性・Nさんの体験談をブログ形式でお届けします。
この体験談を読むことで、今、何が原因で転職活動を妨げているのかを、Nさんの体験を通して自分の現在の姿が見えるようになります。
現在、転職活動をしたくても時間がないという方はぜひこの体験談を参考にしてみてください。
【体験談ブログ】転職活動の時間がない!若いうちに転職すれば良かった?Nさんの体験談
私は現在、従業員200人規模の会社の総務・人事の課長をしている41歳男性です。
この会社には新卒入社しているので、今年で18年になります。
今、この記事を読んでくれている人はきっと転職を考えている20~30代の人がほとんどだと思います。
その人たちからすると、「18年も同じ職場で働いているなんて、仕事や職場環境が合っているんだろうね」と思うかもしれません。
しかし実際はそうではありません。
転職したいと何度も思いながら、とにかく忙しくて転職活動する時間も気力もなく、気づいたら18年経っていたという感じです。
自分が辛い状況に置かれているにもかかわらず、それに気づかず、転職活動を優先させてこなかった結果とも言えますね。
結論をいうと、「転職」というより、「転職活動」をすれば良かったと思っています。
社会とはこんなもの、と自分を殺した20代
大学時代の就活中、すでに何社か内定はもらっていましたが、最終的に決めたのは自宅に比較的近い、福利厚生もきちんとしている地元の中小企業でした。
もともと商業系の学校を出ていたので、将来は経理などの事務につきたいと思っていたので、最初の配属先が営業職でも気にしませんでした。
しかし、当時の営業職というと、接待は当たり前という時代でした。
取引先を喜ばせるために、音痴なのに平気なふりをしてカラオケで一番のりで歌ったり、スナックで飲みたくもないお酒を飲んだりと自分の時間を費やしていきました。
転職を考えた20代後半
入社後、5年もすると、営業部をまとめるマネージャーに昇進しました。
昇進して給料は上がりましたが、休日出勤は当たり前で、特に会社の会議が不満でした。
毎回誰かがターゲットになるのですが、上司から人格否定されたり、努力や成果を認めず、逆にミスばかり指摘する会社の体質にうんざりしていました。
それと比例するように上司に媚びる社員も増え、仕事の意義も見失いましたね。
しかし、転職サイトを眺めても、どうせどこの会社も同じでは?という思いと、今の状況で履歴書を書いたり面接に行く時間なんてない、と転職しようとする自分をどこかで否定していたように思います。
役職が与えられ、転職どころじゃなくなった
そんな時、日ごろの努力が実を結び、29歳でかねてより希望していた経理事務へ配属されることになりました。
「営業の時みたいに接待もないし、内勤だし、まあいっか」と転職は思いとどまりましたね。
しかし、経理と言っても本当に多忙で、月末は深夜まで残業する日々でした。
残業が嫌だったはずなのに、いつの間にか楽しくなっていた
仕事が変われば、働き方も変わると思っていましたが、会社が「残業するのが当たり前」「残業しないのは、仕事への熱意がない証拠だ」という空気が流れていました。
会社全体としては、人手が足りず、入社しても人がすぐに辞めてしまう状況でした。
自分のところに人手が欲しいこともあり、会社の体制や体質の改善、求人募集の見直しなど具体的な解決法を資料付きで提案をしてみました。
自分は経理でしたが、残業してでも人事に提案する資料を作成するのが楽しかったですし、そのことで上司や周囲に認められたと感じるのも快感になっていました。
自分は給料も変わらないし、自分の時間も削られていることにも当時は気づいていなかったんです。
再び転職を考えるも、時間も体力もない
30代半ばに、長年つき合っていた彼女と別れました。
理由は、自分が忙しく、彼女の存在をないがしろにしていたからです。
彼女からすると、そろそろ結婚の話が出るだろうと思っていたようですが、週末は疲れて家で寝ているだけで、誰かに会う気力もありませんでした。
フラれて当然ですよね。
自分の時間はすべて寝ているといっても過言ではなく、転職活動といったらなおさらでした。
履歴書を買いに行くだけのこと、自己アピールを考えたり職務経歴書を書くことさえもおっくうでした。
結局、最後には今のところにいた方が楽だな、とまた同じような毎日を繰り返していました。
これを10年以上続けていることになるとは思ってもみませんでしたが。
40代に入り、若い世代の働き方を見た
40代に入って、自分はこれで良かったんだ、会社に貢献してるんだと自分を一生懸命肯定してきました。
しかし、パソコンひとつ持って、自分の好きな場所で好きな人たちと意欲的にと働いている今の若い人たちを見て、うらやましいという気持ちが強くなりました。
自分が20代の時は、炎天下であろうとスーツをきて、上司や取引先にペコペコするのが当たり前だったからです。
夜は接待で飲めないお酒につき合わされ、夜中に帰る。
翌日は早朝から接待ゴルフにつき合うのが当たり前でした。
これが社会人だと信じていたので、楽しく仕事して稼いでいる今の若い世代がうらやましいと同時に嫉妬もしていましたね。
自分の人生を生きてなかった20代・30代
振り返ると、ネットもまだ普及してなかった大学時代は、休みのたびにアジアで一人旅していました。
大きなリュックひとつで異国を旅行していると、自分の力で生きている実感と自由を感じられたからです。
自分の中で、「社会人になったらこんな生活はできないから」と勝手に決めつけ、自ら会社の奴隷になっていたように思います。
心の中では、「また海外旅行がしたい」「自分の好きなことをして暮らしたい」と思いながら、仕事に忙殺されて自分の好きなことを考えたり、好きなことをする余裕もありませんでした。
時間がなくて転職活動できない人へ、Nさんからアドバイス
転職したいと思いながら、転職活動に時間をさけず、タイミングを逃してしまったというNさん。
最後にこんなアドバイスをもらいました。
「私は、多忙な日々の中、時間がないと転職活動をしてきませんでした。
でも、実際は「時間がない」のではなく、日々の業務に忙殺され心身が疲れ果てて、「転職活動を優先できなかった」ということに気づきませんでした。
私のようにタイミングを逃したり、また様々な転機を迎えて結局会社にとどまっている人は沢山います。
その中でキャリアアップしたり、仕事が楽しくなったりと、最終的に今の自分の人生に満足しているならそれで良いと思います。
私の場合は、41歳になった今、役職もついて、仕事にも経済的にもそれなりに満足していますが、これまでの人生に満足しているかというとそんなことはありません。
20代、30代は仕事に費やした思い出しかありませんし、若さを無駄にした感はあります。
皆さんも、在職中に転職活動するのは大変だと思いますが、転職を考えているなら思い切って有休を取るなりして仕事量を減らすなりして、一度人生について考えてみてください。
どんどん応募して、面接に行ってください。
その結果、今の仕事を続けるという選択になっても良いと思います。
ただ、時間がないから転職活動できなかった、自分の人生なんだったんだろう、ということにだけはならないで欲しいですね。
いったん立ち止まって、転職して新しく開ける楽しい未来を想像すると、行動も変わるかもしれません。」
Nさん、貴重な体験談ありがとうございました。