「シンママでも正社員になれる?」
「パートのシンママだけど、長い時間働きたいけど子育てと両立はキツイよね?」
「シンママがパートから正社員なれるのって元々キャリアウーマンだった人だけだよね?」
日々、一人で子育てをしながら立派にお仕事をしているシンママさんには本当に頭が下がる思いです。
そんな仕事と家庭を両立しているたくましい姿とは裏腹に、人知れず苦労や悩みは尽きないことでしょう。
この記事では、転職でパートから正社員へとステップアップしていった30代シンママのY子さんの体験談をブログ形式でお届けします。
経済的な不安や子育ての不安を経験してきたY子さん。
彼女のアドバイスや体験談を読むことで、仕事をするうえでの大切なことや希望を捨てないことの大切さが分かり、きっと転職活動中のシンママさんたちの励みになるはずです。
現在、就職・転職を考えている方、パートから正社員へのステップアップを考えている方へぜひ応援のメッセージが伝わると幸いです。
【体験談ブログ】シンママ・40代パートが正社員になった!Y子さんの体験談
私は当時、40歳で4歳と6歳の子供を持つバツイチのシンママでした。
大学を卒業後、結婚するまでの8年間は地元の電子機器の会社で事務員として電話受付や帳簿処理などをしており、結婚後は専業主婦をしてました。
その後、予想外にも元夫が起業したので、離婚するまでの3年間は経理処理やちょっとした書類作成を手伝っていました。
このまま子育てして、子どもの成長を見守りながら人生を送るんだなってちょっと幸せを感じてたんですね。
ところが色々なことがあって離婚することが決まりました。
いざ自分の手で子どもを養うことになり、これまでの自分を振り返ってみました。
約8年勤めてきたとはいえ、今のパソコン技術とは随分違うし、家族以外や幼稚園の先生以外の人とまともに話す機会もありませんでした。
正直、社会に出るのが怖くなっていたんですよね。
また、子どもを大切に思うあまりに仕事と両立できる自信がなく、求人に応募することすらできませんでした。
自宅から徒歩10分の場所で採用される
これまで、シンママが理由(というか小さな子どもがいるという理由)で、スケジュール的な都合が合わず、採用を見送られてきたのでシンママの転職は難しいのだと思い込んでいました。
そんな時見つけたのが、自宅近くに事務所があるリフォーム会社でした。
2店舗目を立ち上げたばかりということで、従業員も営業3人と事務員1人というこじんまりとした職場に少し安心感を覚えました。
当初の求人は、一日2時間から勤務可能、働く時間や出勤日数は相談可能というものでした。
自宅に近いので、子どもに何かあった時もすぐに駆けつけられるので、すぐに応募し、面接、即採用されました。
立ち上げたばかりの会社ということもあり、まだ顧客も少ないので、朝は子どもを幼稚園に送ってからゆったりと出勤できました。
奇跡?子どもの病気がきっかけで在宅ワークに
パート生活が順調にいったのもつかの間、残念なことに4ヶ月を過ぎた頃、意外なことが起きます。
私が勤めていた自宅近くの事業所を閉鎖し、自宅から40分の場所にある本社で勤めることになってしまいました。
子どもの送り出しとお迎えでただでさえ忙しかったのに、通勤に40分かかるのは本当につらいものでした。
しかも、送り迎えする幼稚園は職場とは正反対なんです。
私の日常は途端にいそがしくなり、心身にも疲れが出てきました。
そんな時、子どもが原因不明の体調不良を起こし、急遽仕事を3日ほど休むことになってしまいました。
その時、職場の人たちは「休んでていいよ」と言ってくれたものの、仕事を休む=給料が出ない、ということが頭をよぎり、不安しかありませんでした。
そこで、普段会社でやっていることを振り返ってみると、在宅でできることばかりだということに気づき、上司に在宅ワークを提案してみました。
当時は、リモートワークという言葉もなかったので、初めは怪訝そうな顔をされましたね。
でも、やってみたら意外と通常の仕事としてスムーズにいきました。
社内でも「まぁ、こんな働き方もありかな」という流れになってきました。
働くママあるある!職場での出来事を乗り切るコツ
働くママなら誰でも経験する「子どもに関わるアレコレ」。
子どもたちは、「職場での気まずさ」「大人の都合」などお構いなしに病気や怪我、だだっこになり、本当に大変です。
「働くママあるある」な出来事を、私がどのように乗り越えたかを振り返ってみました。
・早退、欠勤
子どもが急な病気などで早退や欠勤することになった場合は、私が休むことで発生するであろう職場の人への負担をまず考えました。
私の場合は、私と他の事務員さんとで行っていた「電話対応」と「来客対応」、「資料作成」だと想定しました。
「来客対応」はどうしようもありません。
しかし、「電話対応」については、私の携帯へ電話を転送、「資料作成」はクラウド上で共有するように提案したところ、職場の人は大変喜んでくれました。
それからというものの、子どもに何かあった時は即「在宅ワーク」へと切り替えできるような認識が社内でも出来上がってきたので非常にやりやすかったですね。
・遅刻
離婚してからというものの、下の子のだだっこが激しくなってきて、私一人では手に負えない状態になりました。
幼稚園へ送っていこうにも、だだをこねて起きないし、着替えようともしない。そんな日は諦めて遅刻して行くことにしました。
私が気をつけていたことは、出社後のふるまいです。
出社したら開口一番、大きな声で「遅くなってすみませんでした!」、私がいないことで迷惑をかけたであろう人にはそばに行って、直接「ご迷惑をおかけしました。ありがとうございました」と伝えていました。
また、できるだけテキパキと仕事をこなし、スキマ時間には、トイレ掃除やトナー交換、誰もやらない書類整理などを積極的にやるようにしました。
初めは、私の遅刻や突然の欠勤を嫌がっていた一部の人たちも「シンママなのに頑張っているな」と認め、応援してくれるようになったのです。
まさかのチャンス!社員の退職で人手不足!
具体的には書きませんが、子育てや上手くいかない恋愛、ご近所づきあいなどに日々振り回され、体力的にも精神的にもボロボロだった日が続きました。
食事が喉を通らない日もありましたが、それでも笑顔は絶やさず、愚痴は絶対に言わない、言われたこと以上の仕事をする。
それだけは死守してきました。
もちろん、毎日雑用をし続けるのはつらいので、ルーティンワーク化して仕事を楽しむようにしました。
そうやって地味な仕事をこなしながら周囲への信頼を得てきたんです。
私の職場は、暇な時は本当に暇だったので、その間にパソコンのテクニックや業界について調べたりと自分なりに勉強もしていました。
勤務時間が過ぎたら自分の時間は全て子どもに注がねばならないからです。
入社して2年が過ぎたころ、一緒に働いていた事務員さんが寿退社することになり、事務の正社員を募集することになりました。
ちょうどその頃、下の子が小学生になる頃だったので、私自身、長時間勤務したいと思っていたところだったのでこれはチャンスだと思いました。
求人募集を出す前に自己アピール
・新しい人を雇うよりも、内部の事情を知っている私の方がやりやすい
・この業界に2年いたので業務にも精通している
・子どもが小学生になるので、これまでのように遅刻や欠勤は減る
そんなことを必死にプレゼンしたところ、上司も私のこれまでの仕事ぶりを評価してくれました。
こうして約2年かけてパート生活から正社員へとステップアップしていったのです。
正社員になったY子さんに聞いた!シンママが正社員になるコツは?
以上、Y子さんの経験談でした。
Y子さんの日ごろの真摯な姿勢から勝ち取った信頼からの正社員へのステップアップというストーリーでした。
実際の職場環境では、職場が古い考え方の人や、働くママの状況に理解のない人もいる中で、シンママが正社員になるためのコツはあるのか聞いてみました。
Y子さん「職場選びは本当に大切ですが、どこが良い会社で、どこにシンママに理解がある人がいるのかは正直入社して長い事お付き合いしないと分かりません。
私の場合はたまたま正社員になるタイミングにも恵まれたので、こればかりはアドバイスはできません。
ただ仕事を決めるときに大切にしていたことはあります。」
Y子さんがこだわっていた条件は以下。
・在宅ワークができる、または将来的に在宅ワークができそうなところ(子どもの面倒が見れる)
・自分にとって難しすぎない仕事(ストレスやプレッシャーが子育てに影響するから)
・残業がないところ(子どもの送り迎えがあるから)
・職場が近いところ(何かあってもすぐに駆けつけられる)
・絶対に子育てやシンママであることを理由に「できない」と言わない(信用問題)
あくまで子育てあっての仕事、といったスタンスで取り組んできたとのことです。
シンママでも正社員になれる!Y子さんからのアドバイス
自分の時間もなく、子育てに追われる中でも職場でのふるまいや仕事への熱心な姿勢が評価されたY子さん。最後にこんなアドバイスをもらいました。
「ここまでの道のりは正直、苦労の連続でした。体験談では、仕事のこと以外は書いていませんが、実際はもっと大変だし、今もそうです。
恋愛が上手くいかない時期と子どものイヤイヤ期が重なった時は、随分心が荒れました。
もう爆発しそうで、何度も泣きましたし、何度も不安な日を過ごしました。
私の場合は元々友人が多い方ではなかったので、職場の人に相談したり、とにかく仕事の時間は仕事に没頭するようにしていたら自然にスキルが上がったように思います。
正社員になることがゴールではありませんが、正社員という地位を掴むことで、しばらくの経済的な不安はなくなり、ひとまずホッとしています。
シンママの皆さんも、心が折れてしまうことや子どもに八つ当たりして罪悪感を抱くこともあると思います。
ただ、必ず受け入れてくれる会社はあります。
会社の雰囲気も大切ですが、入社後の自分のふるまいにかかっているということも覚えておくといいかもしれません。」
Y子さん、貴重な体験談をありがとうございました。