はじめに
「今の仕事は本当に自分に合っているの?」そんな疑問を抱くこと、誰にでもありますよね。入社当初は希望と信念を胸に、将来のビジョンを描きながら職場と向き合っていたはずです。しかし、その思いが薄れ、今の仕事に何となく違和感を感じ始めたら、それは立ち位置を見直す良い機会かもしれません。さまざまな要因が働くこの違和感、それは年収、ワークライフバランス、福利厚生、仕事のやりがい、勤務地、人間関係、仕事内容、キャリアアップといった様々な要素から生じます。ですが、この時、まず一息つきましょう。すぐに退職や転職を考えるのは、少し早過ぎるかもしれません。即断する前に、もう一度自分を見つめ直す時間を持ってみてはいかがでしょうか?自分自身と向き合うことで、これまで見逃していた何かが見えてくるかもしれません。
今の仕事に疑問を感じても、退職が全てじゃない!
どんな形であれ、将来の希望や仕事に対する向き合い方など、何かがフィットすると思って入社した会社でも、ふと今の仕事に疑問を感じてしまうことは、誰しもあります。それは、年収・ワークライフバランス・福利厚生・やりがい・勤務地・人間関係・仕事内容・キャリアアップ…など、人によってさまざまな原因に起因します。ただ、現職に疑問に感じたとしても、すぐに退職・転職を考えるのは早いです。
自分の立ち位置を再確認してみましょう。
まずは、何に疑問・不満を持っているのか、それを解決するために必要なことは何か、原因を探り、どうすればその原因を解決することができるか考えてみることがとても大切です。
とても当たり前のように聞こえるかもしれませんが、意外とこれをできていない人も多く、「今の職場の上司が無理」「年収が少ない」と辞めてしまい、退職後に現職以上に条件の良い会社が見つからず、退職を後悔する人も少なくありません。この原因究明を怠ると仮に転職が上手くいったとしても、その転職先でもあまり上手くいかずにまた退職になってしまい、転職を繰り返す負のループに陥ってしまうこともあります。
何を変えれば、現職に対して、今、疑問・不満に思っていることが解決されるのか、紐解いていくことをしてみましょう。もちろんこれは必ず自分1人で自問自答しなければいけない訳ではありません。原因を紐解く上で、社内外に相談することで見えてくる解決方法も多くあります。特に自分より先輩は、社会人経験が自分よりも長いことはもちろん、社内外にも、さまざまな人のキャリアのケースを知っているはずです。
自分の立ち位置が分かったら、次の一歩を。
原因とその解決方法が見つかったら、次のステップに進んでみましょう。選択肢はこれだけではないですが、多くの人は「社内の人に相談」「転職/独立」というのが次の段階になるかと思います。既に管理レイヤーでは課題を解決するために動いている場合や、社内のコネクションで思いもよらない選択肢が見つかる場合もあり、結果的に退職となる場合でも引き継ぎが比較的スムーズにできるので、社内での関係が良好であれば、一度は社内で相談してみることをお勧めします。ただ、上司や、その他の管理レイヤーにいる人への相談が難しい場合や、転職することが現状自分にとっての1番の選択肢であるが、相談すると無理に引き止められてしまう可能性が高い場合など、社内で相談することが難しいケースも多くあると思います。そういった場合は、無理に社内で事前に相談をすることはありません。筆者が転職した際に相談していた転職エージェントも、半分くらいの転職者が転職先の内定・オファーをもらってから、現職に退職の意向を伝えているということを言っていました。
社内の人に相談
年収のアップや、部署異動、社員の意識改革などによって解決されるような原因であるのならば、まずは上司や、相談役のポジションにいる社内の人に相談してみることをお勧めします。上司との距離が遠い方などは相談が難しいかもしれませんが、不満だけでなく、その原因、今後の自分がなりたい姿など、しっかり考えた上での相談であること、未来を見据えたポジティブな部分も含めた相談にすることで、上司へ嫌な印象を与えずに相談することができます。
例えば、年収アップを交渉する場合は、「もう少しお給料上げてもらえませんか?」というだけではなく、「来年度は年収を〇〇万円まで上げることを目標に今後はより一層頑張って行きたいのですが、具体的にどのようなことをすれば良いでしょうか?」など、“年収を上げたい“それだけでなく、仕事を頑張って行きたいということもアピールすることで好印象を与えることができます。現職に何かしらの不満があったとしても、できるだけ相談する相手に悪い印象を与えずに物事を進めるに越したことはありません。今後もその会社に在籍する可能性もありますし、もし、退職となった場合でも良い関係を築いていれば、次の仕事につながっていくこともあります。「不満をぶつける」のではなく「良い未来に向けての話し合いの場」というスタンスで話してみましょう。
転職
上司に相談した上でも、折り合いがつかなかった場合や、異動では解決できないような人間関係やキャリアアップ、職種を変えたいなど、現職の社内環境では前進することが考えられないような場合は、転職を考えましょう。
必ずしも、転職活動を始める前に社内の人に打診・相談するステップを踏む必要はありません。理想にピッタリあう会社が外の環境にあるとも限りませんので、まずは、転職エージェントとの面談や、転職活動をしてみることもお勧めです。転職活動をしてみたうえで、本当は今の会社が自分にとても合っているということに気づくこともありますし、転職はご縁なので、とりあえず期限を決めずに良い求人が見つかるまで転職活動をゆるくしてみる方や、理想にピッタリな会社はないからと多少の妥協の上で、今の会社でキャリアをつむことを選択される方もいらっしゃいます。いずれにせよ、今まで知らなかった外部の環境と比較をすることで今の会社を知ることができます。
一言に“転職”といってもさまざまな手段がありますが、特に転職に関して相談できる先輩がいない人は、一度は転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。転職について不安なことなどは、サポートしてくれるはずです。
独立(個人事業主・起業)
現職の社内環境では解決が難しい場合、転職と共に候補に上がって来るのが独立です。最近では、ノマドワーカーも増え、個人の働き方の幅も広がっていますし、学生起業も珍しくない時代となってきました。会社に所属することで生まれるしがらみや、人間関係などがめんどくさいと思う方、将来的には自分の会社を持ちたいというような方にはおすすめです。
ただ、独立して周りに左右されなくて済むから楽というわけではありません。会社を立ち上げるのであれば、それなりに準備も必要となってきますし、個人事業主であっても仕事を取ってくる営業活動〜実務などに加えて、今まで、会社の管理職の人たちが知らず知らずのうちにやってくれていた経費計算や、納税処理も、やっていかなければなりません。
また、特にその業種に関して、資格や経験年数、案件が少ない場合は、会社という大きな傘がなくなる分、お客様に買っていただけるだけの商材であるか、ツテがあるか、競合他社とも比較すると良いでしょう。
独立を選択する前に、独立することで得られるメリットとデメリットのバランスをしっかりと吟味して、独立をする必要があります。
まとめ
どんな形であれ、現状問題を解決するために一歩踏み出すことは本当に勇気のいる難しいことですよね。ただ、自分が何も動かないままでは、疑問に思っていることが、自然に解決にむかうことは難しいです。自分なりに考え方を変え、解釈をして、現状を受け入れることも、また選択肢の一つです。どんな一歩であったとしても、自分の今と未来をきちんと考えた上での一歩であれば、あまり後悔が残ることはありません。勢いだけではなく、まずはさまざまな比較・検討をたくさんした上で、一歩踏み出してみましょう。